2014年09月06日

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)

動きだしました、「地域づくりチャレンジ塾」。
「本講座」は2014年10月11日からの半年間・6回ですが、
「本講座」に先立ち、こんなんしますよという、お披露目の「プレセミナー」を2回やる予定になっていて、
今回、8月24日(日)は、その第1回目。
まさに、最初の一歩(半歩?)です。

会場はJR高松駅前。玉藻公園(高松城跡)の被雲閣(ひうんかく)。国の重要文化財。
この日も暑い夏日でしたが、中に入ると風がとおって気持ちいい。
(↑高松市 市民政策局の城下局長も、挨拶でそうおっしゃられていました)
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)


被雲閣の玄関

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
玄関には会場の案内が


そして、始まるまではひどく暑かったのですが、途中で夕立のような雨が降って、
終了する頃は雨があがって涼しくなって…。
天候にも恵まれました。

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
開会前。人見コーディネータ(左)と、<進行役>のお2人、尾野塾長(中)と眞鍋副塾長(右)とが打合せ

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
    冒頭、城下局長からご挨拶を

まず、主催の高松市市民政策局長(城下正寿)より挨拶。

本市は「高松市自治基本条例」に掲げる「市民主体のまちづくり」を図るため、「高松市自治と協働の基本指針」を策定し、それぞれの地域の特性を生かしながら、多様な主体が参画・協働するまちづくりに取り組んでいる。
地域活動の重要性を理解し、地域の課題を解決できる人材の育成が、何より重要。
高松市市民活動センターでまちづくりのリーダー育成に努めるなか、一人でも多くの方が、このチャレンジ塾で学んだことを生かし、地域づくりに向けた、住民自らの実践活動のすそ野が広がっていくことを願っている。

続いて、共催の四国経済産業局産業部長(藤澤清隆)からも挨拶をいただいて。

今回の塾の前身は、島根県雲南市の幸雲南塾。今日、お越しいただいている尾野様が進められ、非常に好評で、全国に広がってきていると聞いている。その一つが高松市。
また、私ども経済産業省が関わっているスタンスは、新しい事業を興す、地域の課題をビジネスの手法で解決するという点。
だけれど、あまりビジネスという出口にとらわれず、気軽に参加いただいて、この塾の特徴、自分が何をやりたいかというところをしっかり固めて欲しい。そして、結果的にビジネスになれば良いし、ならなくても、何らかの気づきになれば、それで十分。


その後、セミナーへ。
まずは進行役のお2人(尾野塾長、眞鍋副塾長)が、ご自身がやられていること、これまでの経緯などを自己紹介。
※お2人のことは、本講座で詳しくご紹介する機会がありますので、今回は、省略(笑)

そして、本日のメイン。
お越しいただいた4人の方々、
地域課題にコミットメントしている皆さん、
無理しない範囲で楽しくやっておられる(と紹介された)4人の方々がご登壇。

ひとことづつ、自己紹介をいただきましたので、そのままご紹介。
 ~高松で和三盆体験ルーム「豆花」をやってます~ 上原さん
 ~国分寺で翻訳会社、日曜日、たまにクレープ屋さんをやってます~ エラリーさん
 ~香川県で小さな出版社「ルーツブックス」をやってます~ 小西さん
 ~上之町で学生服のリユースショップ「さくらや」をやってます~ 馬場さん

皆さん、高松市の方なんですが、やってる場所の説明が、
高松、国分寺、香川県、上之町(かみのちょう)と、全員、違ってたりします。

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)

向かって左側が地元の4人、右側が進行役の2人

まず、進行役の方から今日の進め方について、
今日は、10分発表、10分我々(進行役の尾野さん、眞鍋さん)との質疑応答。これを繰り返します。
「本講座」も、こういうやり方です。皆さんに発表してもらい、我々とやりとりする。
これを毎回、繰り返しています。
今日は、「本講座」のグループワークを客席から見てもらえればと思います。

というガイダンスを受けて始まりましたプレセミナー。

ココでは、<お越しいただいた4人の方々のお話>を紹介させていただき、
最後に、尾野塾長が話された<塾の紹介>を書かせていただきます。
では、どうぞ。

<お越しいただいた4人の方々のお話>

(1)トップバッター ~高松で和三盆体験ルーム「豆花」をやってます~ 上原あゆみさん。
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
上原さん。右手に持たれているのが「菓子木型」

〔お父様は「菓子木型」の職人〕
お父様は、「菓子木型」という、和三盆で「お干菓子(おひがし)」をつくる木型づくりの職人さん。四国で1人、全国でも6~7人だそうです。

〔普通に就職〕
でも、そんなことに関係なくすごされ、地元の短大を出て携帯電話会社に就職。当時は、短大→就職→結婚が当たり前だった時代。
その後、ケーキ屋さんで働くものの、お店が廃業。職安で見つけた直島のアートプロジェクトの2日間の仕事へ行き、そのまま、プロジェクトのスタッフに。

〔菓子木型ってスゴイ〕
それまでアートとは無縁だったそうですが、いろんなアート作品を見ているうち、ウチにいっぱいある菓子木型って、かなりアートじゃないか。
と、初めて菓子木型に興味を持ったそうです。
そんな頃、携帯電話のキャラクター「ドコモダケ」のイベントで、お父様がドコモダケの木型を彫って、東京でドコモダケ和三盆を振る舞うことに。
興味を持つようになっていたので、上原さんも一緒に行って…。

そして、菓子木型を使って干菓子をつくるところを、<初めて見た>そうです。
菓子木型はいつも見ていたけど、それを使っているところ、
菓子木型に、和三盆をキュッ、キュッと詰めて、ポンと出す。
キュッ、キュッ、ポン。何これ、スゴイ。感動。

〔これはみんなに知って欲しい〕
家に帰って、自分で菓子木型を使ってお干菓子をつくって、食べてみたら、
口の中でスーっと溶ける。
すごくおいしい。
“できたて”は全然違う。
これはみんなに知って欲しい。
小さい子とか、絶対に喜ぶ。
そして、「そんなん、ムダ」というお父様の反対を押し切って、体験教室を始められたそうです。

〔夢は〕
特に、地元の小学生に、体験して欲しい。知って欲しい。
高松は、お城があるおかげで、工芸品など良いものがいろいろある。
菓子木型を始め、良いものをいっぱい知って、
高松で生まれ育ったことを誇りに思ってもらえるようになって欲しい。そう思ってやっています。


と締めくくられた上原さん。
プレゼン後、進行役の方が言われたとおり、「上原さんの原体験、生き方、そして、自分がつくりたい世の中像」までが凝縮された10分間。
お手本のようなお話をいただきました。


(2)お2人目は、~国分寺で翻訳会社、日曜日、たまにクレープ屋さんをやってます~ 
Helary Jean-Christophe さん。フランス出身の方です。
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
エラリーさん。10分間、正座で話されました。

〔剣道で日本へ〕
 パリの近くで生まれたエラリーさん。
大学で出会った「剣道」がとても楽しくて、
剣道やるなら、いつか日本へ行かないといけない。そのためには、日本語を勉強しないと。
専攻を日本語に変えられ(親に内緒だったそう…)、92年、日本に来られました。

〔翻訳業がリーマンショックで、鬱に〕
 日本では国際交流の仕事をやられていたそうですが、
組織での仕事がストレスになり、自分のスキルでできる“翻訳業”で独立。
ところが、2008年の秋。
リーマンショックの後、しばらく、仕事が全くなくなった。
子供が3人いるのに、どうしよう。悩んで、鬱病になってしまった そうです…。

〔ライフスタイルを変える〕
翻訳業といっても、下請けの下請けの下請け…。
どこかに頼っていたら振り回される。
 自分と全く関係がないところの影響で、自分の仕事が切られて、終わりになる。
そんな生活じゃなく、地元を熱心に見て、その中で自分は何ができるか。
病院の先生に診てもらい、ライフスタイルを変えようと決心されます。

〔クレープ、アート、トラック〕
 そして、PTA活動から知り合ったNPOが日曜日にやってる「さぬきマルシェ」に、趣味でクレープ屋さんを出店。
 “クレープ”はフランスが発祥。父の出身地、ブルターニュ半島のお菓子。
 国分寺の自宅でもクレープ・パーティをやっていた。子供たちとか集まると楽しいでしょ。
自分も子供の頃、人が集まると楽しかったからね。と話すエラリーさん。

次は、地元の国分寺でアート活動がやれないか、考えてるそうです。
高松市の「芸術士がいる保育所」、ああいうの。
お金にならなくても、人の縁が強くなって、そこから何か活動する人がでてきたりということはあるはず。公民館を借りたりしてね。
夢は、トラックの運転手。来月、普通免許を取りに行くことにした。

           *
と、流ちょうな日本語で話されるエラリーさん。
「翻訳」と「クレープ」、そして次は、「アート」に「トラック運転手」。
全く違うテーマが出てきたのですが、
「“普段は翻訳、週末はクレープ”。そんな、本業あってのいろいろな週末活動が、これから、地域づくりの一つの主役になるのではないかと感じてます」という進行役の方のコメントに、なるほど。

そして、エラリーさんのクレープ。
お釣りが必要ないようにという、それだけの理由で“500円”。
その代わり500円の価値にするため、材料は香川県産に限定。砂糖は和三盆だし、
果物も自分がおいしいと思う生産者のところへ行って買って、自分でジャムをつくってるそう。
「500円の価値をだそうとしている、立派なビジネスですね」とのコメントが出ると、
「コストも手間もかかる。収入がないと自分が楽しくないので、収入がないならやりたくない。でも、私の中ではビジネスじゃない。趣味」と強調されるエラリーさん。
クレープをやってるのは、自分の原点に戻るため。
剣道も、自分の原点の一つ。
今、45歳になって、自分の子供たちに何を残すか、
地域の人たちに何を残すことができるかをすごく考えている。
ビジネスも考えないといけないけど、ビジネスとして何をするかというよりも、
地元で何ができるかを考えている。

そう語られたエラリーさん でした。


(3)続いては、~香川県で小さな出版社「ルーツブックス」をやってます~ 小西智都子さん
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
小西さん。こういう講座、いろいろ受講されたそうです。

〔お父様は郷土出版を〕
実家は印刷会社で、亡くなった父は、鄕土出版をしていた。
“讃岐のため池”とかっていう感じの本。本屋に置かれない本。図書館にしかない本。
子供だった私にとって全く面白くない本ばかりが家にあった。と話される小西さん。

〔地元愛は、全くなかった〕
 関西の大学へ進学されますが、当時、地元愛は全くなかったそうで、
関西に残るつもりだったけど、卒業の3日後が、阪神・淡路大震災。
住む家がなくなり、やむなく地元へ戻ってきた。
だけど、落ち着いたら、また、関西へ行くつもりだった。

〔出版社をやりたい…〕
高松では、高松市の女性センターに勤めて、市民活動されてる方と出会ったり、
新聞社で生活情報誌の編集の仕事をしたり。
自分から望んだわけではないけど、地元情報に囲まれて生活。
その後、フリーランスでデザインや編集の仕事をしてる時、
お父様の仕事、“年配の方が自分史を出版する”仕事を手伝うことになります。
月に一回、その年配の方の家へ伺って、半日かけて話を聞き、
帰って原稿にまとめて、翌月、また、話を聞きに伺う、
それを1年やって1冊の本にする。
それまで扱っていた情報と違う、息の長い取材活動。
そういう経験をして、書籍をつくりたい。息長く残っていく書籍づくりをしたい。
そう思うようになったそうです。
でも、香川に、でそういう仕事をくれる出版社はない。
ないなら、自分でそういう出版社をつくりたい…。でも…。

〔できるはずがない〕
出版社に勤めたこともないし、やったこともない。
出版社なんて、できるはずがない。
 だから、出版社をやりたいなんて、絶対、クチに出さなかった。
やりたいと思いながら、1人悩んで、今日のような講座に来ていたそうです。

〔やりたいと、人に話した〕
そんな中で出会った講座が転機になります。
その時の、グループ討議のテーマが、<あなたの課題は何ですか?>。
<あなたのやりたいこと>だったら、出版社をやりたいなんて絶対に言わなかったけど、
<あなたの課題>だったので、
「実は…。出版社をしたいんだけど、どうしたらいいかわからないんです」

〔出版社の立ち上げ〕
初めて人に話します。そしたら、一気に加速したそうです。
私、出版社をやりたいと思ってから立ち上げるまで、3~4年かかってるんですが、
人に話したあの講座から、1年足らずで出版社を立ち上げてしまいました。
振り返ったら、いろんな人にキッカケをもらいながらやってきたなぁと思います。
〔大変だけど、楽しい〕
今、「せとうち暮らし」という瀬戸内海の島の雑誌とかをつくってます。
島の取材って、行き来するだけでも時間がかかるし。
全て直販なので、本屋さん、雑貨屋さん、カフェとかへ行って、
こんな本をつくっているんです、置かせてくださいと言って、置かせてもらう。
今回の講座、<気軽に、ムリなく始める>ということですが、私にとっては、気軽じゃないし、ムリしまくり(笑)
でも、楽しいのは間違いないし、やり始めて後悔したことは一度もないですね。

〔目下の夢、宮島~直島をつなぐ〕
そして、お客さんや取材先の方とかが教えてくれるんです。
「せとうち暮らし」。最初は、香川県の有人島24島だけを取材してたんですけど、
しまなみ海道は? 宮島は?
県境なんて関係ないということに気づかせてもらって、取材先を広げはじめてます。

目下の夢は、<広島県の宮島から、香川県の直島までをつなげた観光ルート>をつくれないかということ。
瀬戸内海。全国の人に知って欲しいけど、外国の方にも知って欲しいんです。
まずは、外国の方に人気がある宮島と直島。これを瀬戸内海という海の道でつなぎたい。
すると、その間でいろんなことがおきるんじゃないか。
なぁんてね。たった4年でも、続けていると、こんな次の夢まで見つけてしまうんですね。

             *
優しい語り口ですが、強い想いをお話していただいた小西さん。進行役の方から
 「フリーペーパーを発行したいという人、結構、多いんですが、
最初、フリーペーパーから入るのでなく、いきなり独立というのはなぜなんですか?」
との質問に、
「亡き父が反面教師になってます」と言われます。
「父は『地元の良いものを残し、人に伝えるべきだ』と言い続けていました。
そして、父の遺言が『間違っても、本を売って儲けようと思うな』(笑)
でも、つくるだけでは届かないんです。
図書館にあっても、本屋とか身近なところになければ人の手に届かない。
届かないと始まらないんです。」
そして、もう一つ、付け加えていただきました。
 「売り物にするかしないかで、作り方は大きく違います。
フリーペーパーは主導権が作り手側にあるので、自分たちが伝えたいことをカタチにして、分かってくれる人が分かってくれれば良い。
でも、売り物は主導権が買い手側にあるから、相手を振り向かせなければいけない。
コンテンツにそれだけの魅力が必要。
作り手にそれだけのレベルが必要なんです。
東京の出版社の方と話していると、東京と地方との情報格差って、作り手のレベルの差にもあるという話がよく出ます。
作り手が、せめぎ合いの中でもまれて、成長することが必要なんです。」

また、
「人に話すって大事ですよね。僕のまわりにも、自分1人で考えて、堂々巡りをしてる人は多いです」
とのコメントを受けて。
「本当にそうです。
自分の覚悟ができたし、人や情報は集まりだすし、
話すことで、自分の頭の中が整理できてブラッシュアップする。
逆に、あまりにもリアクションがない時は、練り直さないといけないと気づかせてくれます。
やったことないんだから、材料ないのが当たり前。
材料がないんだから、自分1人で考えていても、しょうがないんですよね。」
 と応えていただきました。


(4)最後は、~上之町で学生服のリユースショップ「さくらや」をやってます~ 馬場加奈子さん
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
馬場さん。話すのが苦手と言われてましたが…。

〔陸上、結婚、出産、離婚〕
中学から大学までの10年間、砲丸投げと円盤投げをしていました。
高校3年の国体で優勝、大学では全国大学生選手権で優勝。
インターハイと国体で、香川県の旗手を務めさせていただきました。
これが、人生で最大の自慢。って、これしかないんですけど…。

そして、大学を卒業する時、実業団へは行かず、
<普通の女の子に戻りたい>と、エステで痩身して体重を半分にして。
OLして、結婚して、子供を産んで、離婚して。そして、今に至ります。
~と話し始められた馬場さん。ポツポツと話されますが、すごい です。

〔独立する〕
子供が3人いるので、働かないといけない。
長女が障害を持っているので、シングルマザーでも、自由に動ける状態でないといけない、
そのために、会社経営を学びたい。
そう思って、法人営業の仕事を探し、保険会社で働き始めました。
仕事で会社の社長さんたちに会えるから、会社経営の勉強ができると思って。
そして、給料をもらいながら学ばせてもらって4年経った時、
長女が養護学校へ入学することが決まったので、そろそろ独立しようと思いました。

〔制服のリユース事業〕
簡単にいえば、不要になった制服を買い取り、きれいにして、また、販売する事業。
昔は、隣近所で、お醤油を借り合ったりするのと同じように、制服のやりとりをしていたと思うんです。でも、今は、無くなってきてるんです。
子供の成長は喜ばしいけど、制服や体操着を買い換えると、結構な金額になります。
私、子供を3人抱えて離婚したので、家計のやりくりが大変でした。
当時、リサイクル店ができはじめていた頃だったので、
リサイクル店に、制服を取り扱って欲しいとお願いに行ったんです。
そしたら、良いですねとは言ってくれる。でも、やってくれない。
その翌年、長女が養護学校に入ることになったので、自分でやることにしました。

〔実店舗を持つ〕
最初は店舗を持たずにやってたんですが、利用してくれない。怪しまれたんです。
「学生服の中古品って、何、それ。なんか変なんじゃないか」。
半年たち、これは店舗がないと信用されないと思い、
今の店舗、コトデン「三条駅」の裏に、14坪の小さなお店を開設しました。
そしたら、お母さんの声が「怪しい」から「こんなお店が欲しかった」に変わって。
そして、お母さんの口コミが広がって、メディアの取材も増えて、
「さくらや」という名前が広がりだしました。

〔FCで展開〕
2年目になった時、「かがわ産業支援財団」からビジネスコンペに応募しないかと言われ、応募しました。でも、ビジネスプラン、書いたこともなかったので、1次審査で落ちました。
ところが、その翌年にも声をかけていただいたんです。
今度は、応募用紙に目一杯、思いの丈を書きこんだら、
一次審査どころか、なんと、最優秀賞になり、300万円の賞金をいただくことができたんです。
実は、お金があったら、やりたかったことがあったんです。それは、
<子育てしながら、お母さん1人で仕事ができるシステムをつくって、全国展開すること>。
それで、300万円をもとにPOSレジを開発して。
今年の3月、宇多津に、フランチャイズ1号店ができました。

〔夢〕
制服の洗濯は、クリーニング店だけでなく、障害者施設にも頼んでいます。
体操服のネームの刺繍取りは、地域のおばあちゃんに頼んでいます。
「さくらや」を通じて、地域の高齢者が交流して、お母さんの交流が広がって、
そして、障害者の方ができる仕事を増やしていきたいと思ってやっています。

             *
「なんか、聞き入ってしまいました」と、進行役の方。
「“子育てとの両立”で心がけてることってありますか?」の問いかけに、
「店は、週4日、10~15時の短い営業にしています。
これ、子育てと両立してバランスをとるには必要なんです。
『なめとる』と言われることもあるけど、これは変えたくない。
実は、保険会社で法人営業していた時、仕事が楽しくて、夜も遅かったりして、
子育てを放り出してたこともあった。
会社勤めをやめたら、初めて、子供たちがいっぱい話しかけてきて。
その時、こんなに私と関わりたかったんだと気づいたんです。
子育ては限られた年数。これではダメだ。
本当に仕事と子育てが両立できるようにしないといけないと思いました。」

「最後に、これから何かを始めたい人へ、メッセージを。」
「まわりの人に、どんどん聞きに行けばいいと思います。
リユース事業の手続きでは、行政書士に頼むお金がもったいないので、警察の担当の方に何度も相談しましたし、
起業では、帳簿の付け方も何もわからないので、起業してる人にいっぱい聞きに行きました。
今も聞きに行っています。」
 「(会場に向かって)今回のプログラムにも、先進事例のインタビューというのがあります。
どんな事業でも、似たような先進事例は必ずあります。聞きに行くことで得るものはたくさんあると思います。」
「そろそろ、休憩しましょう。」

<休 憩>

いやぁ、事務方の身でこんなこと言うのもなんですが、かなり濃い内容でした。
 休憩後は、会場を含めた全員でのやりとりもあり、<面白い話>もあったんですが、
 そこはちょっとだけの紹介にさせていただき、
最後、進行役、尾野塾長が話された<塾の紹介>を記して終わりにします。

<面白い話>、ちょっとだけの紹介
  *尾野さんが、近所の人から夜逃げしてると思われていた話。
  *眞鍋さんが、ニューヨークへ行く飛行機が発つ時、なぜか、太平洋沖でカツオ漁船に乗っていた話。
  *上原さんの、和三盆がアメリカの税関で麻薬と間違われ、没収された話。
などなど…。

 では、塾の紹介を。
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
<塾の紹介>(尾野塾長から)

仕事と自分がやりたいこと、両方できる 良い時代になってるなぁと思います。
 大きな変革をおこすのは大変ですが、今日の皆さんも、小さな変革を確実におこしています。
昔、まちづくりをする人は、政治家、郵便局長、自治会長とかでした。
でも、今は、何でもない個人がスポットライトを浴びるようになっています。

子育てママ、サラリーマン、平日は別のフリーの仕事をしている人、
そんな人が気軽に街に関わる。
そんな人が束になってかかる。
そんな場をつくるのが、今回の塾です。

そして、この塾の最大の特徴は、<起業しなくて良い起業塾>。
半年間受講した後、行動しなくても良いです。
半年間、考えに考え、そして、半年後、“やっぱり違うな”と気づく。
そういう気づきをする人も少なくない。
だから、ムリして行動する必要はないです。
でも、“違うなと気づく”ことで、次のことを考えやすかったりするから、これも大事。
そして、収益計算もしません。
そんな場です。

前身になっている島根県雲南市の塾の卒業生には、郵便局員もいます。
昼間は郵便局員をやっていて、週末、地元の伝統産業を訪ねてつなげ、明宝探訪というスタンプラリーを始めた人もいます。
酒蔵、刃物…。これらの役場の担当は違っていたんですが、彼がスタンプラリーを始めたことで、役場の担当部署の壁がなくなってしまった。

受講している方、雲南市は、平均すると28歳なんですが、学生から58歳までいます。
会社勤め3割、子育てママ2割、仕事探し系・学生2割、後継者や独立・創業希望者2割。
そんな傾向です。
では、お時間がある方、輪になって、交流会にしましょう。

高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
高松市まちづくり学校「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー(第1回)
交流会。最初、全員で自己紹介(写真上)、その後は思い思いに(写真下)。

文と写真:川井(サブ・コーディネータ、四国経済産業局)














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